xTCPは、WANの広帯域化に伴い、広帯域ネットワークをより高い利用効率で活用することを目的とし開発されました。また、導入の際に障壁となる、ネットワーク設計の変更や、各種設定を最小限で実現するための対向検知等の機能も備え、appliance製品だけでなく、appliance製品の導入が困難なクラウドなどへの導入に必要となるソフトウェア製品のご要望にも対応することも目的とされました。
xTCPは、既存のTCPトラフィック(TCPパケット)に対して、その動作フローをWAN環境へ最適なシーケンス・フローとなるように変換、および、逆変換する技術です。既存のTCPアプリケーションのサーバ・クライアント通信に介在させることで、帯域利用効率を向上させ、WAN最適化の効果を発揮します。 データパケットに対する代理応答、内部の巨大なバッファ、強力な再送機構により、WANを流れるTCPパケットをほぼ改変することなく、高速な通信を実現します。
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通常のTCP通信では1セッションのバッファサイズは最大64KBを上限としますが、xTCPでは1セッションの最大バッファサイズは100MB以上を保持します。
TCP標準のSACKによるパケットロス通知が最大4個であるのに対し、当社が開発した独自のACKパケットは、最大16384個のパケットロス通知を行います。
xTCPでは、輻輳によるパケットロス(輻輳ロス)と、それ以外の環境による(無線環境におけるノイズ等による)パケットロスを区別し、スループットを制御します。
● 遅延耐性
遅延の増加に伴うスループットの変化 ※1Gbpsの回線を想定画像をクリックで拡大
通常のTCPの場合、数msの遅延が入った段階で、スループットの急激な劣化が確認されます(破線のグラフ)。xTCPの場合、RTT5ms以上で、通常のTCPと比べ、大幅な改善効果を確認できます(実線のグラフ)。また、RTTが1,000ms程度まではほとんどTCP性能の減衰がなく、2,000msでも非常に小さな減衰率を維持します。
● パケットロス耐性
パケットロスの増加に伴うスループットの変化※1Gbpsの回線を想定画像をクリックで拡大
通常のTCPの場合、パケットロスが0コンマ数パーセント入った段階で、スループットの急激な劣化が確認されます(破線のグラフ)。xTCPの場合、パケットロスが0コンマ数パーセント入った段階から、通常のTCPと比べ、大幅な改善効果を確認できます。また、パケットロスが10%ぐらいまでは、1Gbpsの回線帯域の高い利用効率を維持することが可能です。
● RAPICOM appliance(アプライアンス版)
概要ページは「RAPICOM appliance」から、より詳しい内容は「RAPICOM 専用サイト」をご覧ください。
● RAPICOM seed(ソフトウェア版)
概要ページは「RAPICOM seed」から、より詳しい内容は「RAPICOM 専用サイト」をご覧ください。