TCP最適化・高速化技術

xTCPとは

回線利用効率を向上させる高度なTCP通信制御技術

xTCPは、既存のTCPトラフィック(TCPパケット)に対して、その動作フローをWAN環境へ最適なシーケンス・フローとなるように変換、および、逆変換する技術です。
既存のTCPアプリケーションのサーバ・クライアント通信に介在させることで、帯域利用効率を向上させ、WAN最適化の効果を発揮します。
データパケットに対する代理応答、内部の巨大なバッファ、強力な再送機構により、WANを流れるTCPパケットをほぼ改変することなく、高速な通信を実現します。

テクノロジー紹介

xTCP開発背景

WAN高速化への新しいアプローチ

xTCPは、WANの広帯域化に伴い、広帯域ネットワークをより高い利用効率で活用することを目的とし開発されました。
また、導入の際に障壁となる、ネットワーク設計の変更や、各種設定を最小限で実現するための対向検知等の機能も備え、appliance製品だけでなく、appliance製品の導入が困難なクラウドなどへの導入に必要となるソフトウェア製品の
ご要望にも対応することも目的とされました。


xTCPの特徴

1セッションの最大 バッファサイズを拡大

通常のTCP通信では1セッションのバッファサイズは数MB程度を上限としますが、xTCPでは1セッションの最大バッファサイズは100MB以上を保持します。

独自ACKパケットでロス通知を効率化

TCP標準のSACKによるパケットロス通知が最大4個であるのに対し、当社が開発した独自のACKパケットは、最大16384個のパケットロス通知を行います。

パケットロスを区別しスループットを制御

xTCPでは、輻輳によるパケットロス(輻輳ロス)と、それ以外の環境による(無線環境におけるノイズ等による)パケットロスを区別し、スループットを制御します。

利用環境に合わせた複数の帯域制御機構

様々な通信環境の中で、利用者が最も効率よく通信回線を使用できるよう、通信目的に合わせた6つの帯域制御モードを実装しています(fair mode、fair-rs mode (fair rapid-start mode)、modest mode、exact mode、scaled mode、prime mode )。


xTCPの性能

遅延性能
  • 通常のTCPの場合、数msの遅延が入った段階で、スループットの急激な劣化が確認されます(破線のグラフ)。
  • xTCPの場合、RTT5ms以上で、通常のTCPと比べ、大幅な改善効果を確認できます(実線のグラフ)。
  • RTTが1,000ms程度まではほとんどTCP性能の減衰がなく、2,000msでも非常に小さな減衰率を維持します。
テクノロジー紹介
パケットロス耐性
テクノロジー紹介
  • 通常のTCPの場合、パケットロスが0コンマ数パーセント入った段階で、スループットの急激な劣化が確認されます(破線のグラフ)。
  • xTCPの場合、パケットロスが0コンマ数パーセント入った段階から、通常のTCPと比べ、大幅な改善効果を確認できます。
  • パケットロスが10%ぐらいまでは、1Gbpsの回線帯域の高い利用効率を維持することが可能です

xTCP技術を用いた当社製品


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